2017年SCAJ(日本最大のスペシャルティコーヒーイベント)において参考出品した際には、
多くのCoffee Peopleの関心を集めた、画期的なコーヒードリッパー「ケイブ リバーシブル」。
どこかの大手企業の役員様がいらっしゃって特許の有無について確認されたり、
海外のバリスタチャンピオンが来て今すぐ使いたいと熱弁されたり、
Coffee Peopleは熱い人が多いのですが、いつもより力が入っている人が多かったように思われます。
でも、この製品はとにかくマニアック。
マニアックすぎて、売れるかどうか心配です。
そんなケイブ リバーシブルについて、今日は詳しく説明したいと思います。
そもそもケイブって何?
ケイブはリバーズが開発した円錐形コーヒードリッパー。
中心角が50°と少し鋭い角度に絞られていることが特徴で、
円錐角がシャープなためコーヒー豆の粉層が厚くなり、
抽出時に湯が粉にしっかり絡むことを目的としたもの。
この構造は多くのバリスタからも好評で、よくお褒めの言葉をいただきます。
「ケイブリバーシブル」はケイブの円錐角度50度を踏襲したシリコン製ドリッパーで、
ドリッパーの表裏に異なる2種類のリブが刻まれています。
本体が柔らかいゴム製なので簡単に裏返す(リバーシブル)ことができて、
コーヒー豆の特性に合わせた最適のリブで選んで抽出できることが最大の特長です。
そもそもリブって何?
皆さんはドリッパー内側に刻まれているリブについて、どの程度ご存知ですか?
市販されている物を見ると、リブが長かったり短かったり、螺旋状だったり直線だったりします。
このリブデザインが各社の考えるコーヒーの味に大きな影響を与えるんですね。
そもそもリブの役割はフィルターペーパーとドリッパー本体の間に隙間を作り、お湯の流れをコントロールすることです。
コーヒー豆に浸透したお湯の流れ方により、味に大きな影響を与えるのです。
2種類のリブを有するケイブは、同じ豆でも異なる味で抽出できる可能性があります。
※豆の種類や淹れ方によって、味の違いの差が大きい場合とほとんど無い場合があります。
では、それぞれのリブの形が実際にコーヒーにどのような影響を与えるのか?
このコーヒー、酸味が強いなぁという時は(A面)
シングルオリジンやスペシャルティコーヒーという高品質な豆の風味特性(テロワール)を
楽しむという文化も、今やすっかり根付いてきました。
でも、実際に飲んでみたら酸味が強くてびっくりしたという声はよく聞きますし、
正直に言えば僕も酸味が強すぎるのは苦手だったりします。
街中ではマイクロロースター(自家焙煎設備をもつ小さなカフェや焙煎ショップ)も増えて、
強い酸味を強調するような焙煎が目立っている感もありますね。
そんな酸味特性の強い豆を苦手と感じる場合、ケイブのA面を使って抽出すれば
酸味特性が若干ながら軽減され、バランス特性が変化します。
ポイントはできるだけゆっくりと淹れる、ということ。
静かにポタポタ、ゆっくりと、です。
コーヒーが苦いと感じる時は(B面)
反対に、豆がまるでエスプレッソ用のように深く焙煎されていて、
焦げたような苦いコーヒーになってしまうというケースではB面をお勧めします。
長いリブと短いリブが交互に計24本配置されていて、
A面に比して抽出スピードが速くなるので、
さっぱりとした特性に仕上がる傾向になります。
コツは、お湯をあまりゆっくりと注がずに、
蒸らし工程の後はドリッパーに一気に注いでしまうような淹れ方が合っていると思います。
実はプロのバリスタであればこの辺りのバランス変化を、
抽出スピードを変えることでうまく調節できたりします。
豆特性に合わせたバランスの良い淹れ方があるんですね。
でも実際のところ、経験を積んだバリスタでもなければ抽出スピードの
コントロールなんてシロートには難しい訳で、
その意味でもリブ面を変えるだけで少しでも自分の好みの味に変えられるなら
それは嬉しいと思う訳です。
別売の専用ホルダー『POND』、天然木の温もりが味を引き立てる
リバーズではケイブ専用のドリッパーホルダーとして『POND(ポンド)』と『PEAKS(ピークス)』の
2種類のホルダーをご用意しています。
天然木の温かみは嗜好品であるコーヒーとの親和性が高く、コーヒーのおいしさを引き立てます。
2つともシンプルなフォルムで、どんなマグやサーバーにも合わせることができます。
個人的には、小さくてキャンプにも使えるポンドがイチオシ!
詳しくは下記ブログをご覧ください。
http://www.rivers.co.jp/blog/2017/08/30/post-2865/
アウトドアで使用も◎
外でコーヒーを楽しもうという(アンプラグドコーヒー)を絶賛推進中のリバーズ。
ケイブリバーシブルももちろんアウトドアには最適です。
シリコン製のケイブはスリークやデミタの中に収納することもできるので、携帯製は最高。
味の違いについて散々語りましたが、実はこのアウトドアで気兼ねなく使える便利さが最大の魅力だったりします。
これだけでも買う価値“大”!ですよ(笑)
コーヒーを自分で淹れることに興味がある方は、是非軽い気持ちで遊んでみてください。
ケイブリバーシブルがみなさんのコーヒーを更に楽しむきっかけとなれば最高に嬉しいです。
注意)よく質問されるのですが、ケイブ用フィルターペーパーは未発売です。
市販されている円錐形フィルターペーパーの端を深めに折ってお使いください。
購入は下記RIVERS STOREからどうぞ。
https://rivers-store.com/items/5b33589f122a7d205e0001c8